ご挨拶

2004年夏より始まった東京大学大学院学際情報学府・東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム制作展"iii Exhibition"も、今回で第9回目を迎えようとしています。この制作展は大学院学際情報学府の講義の一環として始まり、学生が自らの手で科学技術の中に芸術的要素を織り交ぜ表現し発信するというコンセプトのもとに開催しております。

今日、大学院で研究されているような新しい技術は日進月歩である反面、開発した技術・メディアが一般の方の目に触れる機会はあまり多くありません。制作展は、本学内で得られた研究成果を、より多くの人に発信していくという目的で行なわれており、鑑賞者の方々自ら体験し楽しんでいただけるよう見せ方にも工夫を凝らしています。学生たちにとっては、研究で見いだした技術的な面白さを、芸術表現と融合することで、アートとして再構築するための新しい表現の場にもなっています。

また、個々に作品を制作するだけでなく会場設計から広報活動まで全ての企画・運営を学生たちが行っています。

今回の制作展は学環らしく文系・理系の学生、加えてコンテンツ創造科学産学連携教育プログラムにより他研究科からも様々なバックグラウンドを持つ学生が関わっております。多様な学生が集まり議論や試行錯誤を繰り返すことで、どなたにも楽しんでいただけるような展示会を目指しております。

作品の見せ方や実験的な表現手法など、お見苦しい点もあるとは思いますが、制作展を通して、作品を"魅せる"ことの重要性、その方法を少しでも学生たちが学ぶことが出来ればと考えております。ひとつひとつの作品をゆっくりとご鑑賞頂ければ幸いです。

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

東京大学大学院工学系研究科 機械工学専攻教授
制作展担当教員
荒川忠一