ご挨拶
苗村 健
東京大学大学院 情報学環/情報理工学系研究科 教授
小松 宏誠
東京大学大学院 情報学環 非常勤講師
赤川 智洋
東京大学大学院 情報学環 非常勤特任研究員
東京大学では、学生たちが自らの研究的な関心を元に表現に挑戦する学際的実践の場として、「東京大学制作展」を開催してきました。4月に開講した大学院講義の一環として、企画・運営から作品制作までの一通りを経験する場として7月のエクストラがあり、そこでの経験やフィードバックを活かして今回の第16回東京大学制作展を迎えました。まだ粗削りではありますが、可能性を秘めた原石たちの取り組みをご覧ください。
表現活動と研究活動の両立は、情報学環・学際情報学府が2000年に設立された当初からの大きなテーマです。東京大学制作展には、荒川忠一先生・鈴木太朗先生を中心に、その中核を担ってきた歴史があります。本年度からは新たな体制になりますが、その精神を引き継ぎ、表現活動としては新たなキャンバスそのものから創出するような試みを、研究活動としては机上の空論に終わらない社会に開かれた研究スタイルとしての制作展示に取り組んでいきたいと考えています。
現実世界の常識に囚われない空間を創り出したいという意気込みから、7月のエクストラでは「リアルからちょっと離れてる空間」というテーマを設定しました。今回のテーマはそこから発展して、「!!!(triple-ex)」です。日常を拡張した体験から驚きを生み出したいという意図で、企画・制作を進めました。学生たちの活力を基に変化し続ける東京大学制作展をぜひご高覧ください。
みなさまのご来場を教職員・学生一同、心よりお待ちしております。
北原 俊
東京大学大学院学際情報学府 小川研究室 修士課程1年
向井 寛人
東京大学大学院学際情報学府 小川研究室 修士課程1年
東京大学制作展は、我々学生が持てる限りの技術とアイディアを振り絞って創りあげたメディアアートの展覧会です。今回で16回目となるこの制作展は7月と11月の年2回行われ、大学院情報学環・学際情報学府の授業の一環として、大学院生が主体となり、企画・運営を行ってきました。1年を通して一緒に同じ場で制作と展示に関わることで、今まで自らが考えもしなかったような可能性に出会い、 研究活動とは違った刺激的な体験を得る事ができています。 私達は今回、来場者の日常を「拡張(extension)」するような「体験(experience)」を提供し、それが多くの「驚き(exclamation)」を生むような空間を創りあげたい、このように考え、第16回東京大学制作展のテーマを「!!!(triple-ex)」に設定しました。 今回の制作展は私達の1年間の集大成であり、各作家の個性が強く表現された多くの「驚き」を生むであろう作品が揃っています。 普段、メディアアートやテクノロジーを用いた作品が身近にある方もそうでない方も、東京大学制作展にご来場いただき、数多くの驚きを体験していただければ幸いです。 最後になりましたが、展覧会の実現にあたり、ご協力くださいました皆さまにこの場を借りて御礼申し上げます。